MANGADORON

授業中ならゴルフ場が建設できてしまう、制約とクリエイティビティの話。

授業中ならゴルフ場が建設できてしまう、制約とクリエイティビティの話。

授業中、コンパスの針でグリグリ穴を掘ってゴルフ場を建設したことがある人、いますよね?

消しゴムのカスを丸めたボールを指で弾く、「俺カントリークラブ」。たまにバズって休み時間に数人が集まるんだけど、すぐにドッチボールにお株を奪われます。

授業中というのは変なクリエイティブの宝庫で、教科書の偉人の顔に落書きしたり、方眼ノートに壮大なスーパーマリオのステージを描いたり。まあくだらないことをすごい情熱で。

授業が終われば、秒でクラスメイトと遊ぶか、とっとと帰る。そんなもんなのに、授業中だけ極端にこういうことに没頭する。

よほど授業が苦痛だったのだな。

チャイムの音で消えてしまう刹那のクリエイティブ、それは往々にしてくっだらない手いたずらではありますが、なかなか純粋で発火力の高いものであろう。


授業中のクリエイティブといえばこの漫画。

須田信太朗「あいつワールド」。

https://blog.goo.ne.jp/jimiri/c/944338f033a00a952cf75d4ea10e1185

滝田くんは机の中に、ゴルフ場どころか世界を完成させようとしていた、という話。すごい熱量で、誰しも理解できるものではないものの、誰かの心を掴んでしまう熱量を持った、謎に高いクリエイティブ。

筆者のサイトで公開されているので、ぜひ読んでみてください。(このサイト、「江戸川ハートブレイカーズ」の作者の漫画が結構読めて、ファンは嬉しい。)

滝田くんのその後、そしてifルートが気になってしょうがない。


ちょっと話が飛びますが、

先日の秋葉原クラブグッドマンでの配信ライブ。主催のニューグリフィンズ、共演の猫道氏、グッドマンのスタッフのみなさま。そして何よりお客様に感謝、素敵な夜。初の配信ライブは緊張したけど、楽しかったです。

で、各バンドのセットチェンジのおりに演者同士のトークセッションコーナーがありまして。僕は共演の猫道氏とちょっとだけセッションさせていただきました。

その時に話していただいたMANGADORONの感想で、「仕事してストレス貯めて初めて制作できるのがMANGADORONの音楽なのかもしれないですね〜」というの。本当におっしゃる通り。

仕事せんでもいい、宝くじ大当たり。人間関係も良好、世の中も平穏、ってなるともはや自分が何かを表現する気持ちにすらならんのではないか、ろくな言葉も出せぬのではないかな、と。

思い返せば、徹夜続き、もはや理不尽と思えるシチュエーションのほうが、まーもうまとめる時間もないってのに、ぽんぽん言葉やメロディーが出てくるもんだったり。削る睡眠時間も心の余裕もないというのにメモるメモる。なんならそのまま作る作る。

それがアーティストとして正解なのか、三流なのか、フツーのことなのかは知らんのだけどね。

音楽という、エンターテイメントにしてクリエイティブ、こっそりアートという表現は、自身が置かれている環境が色濃く現れるというのは間違いない。結果それを楽しんでくれる人がいるという幸せったらない。


疫病下で暮らしぶりが激変しているここ数ヶ月。電波を通じて行われる他人との会話やSNSの文字や動画でとどくコミュニケーション。仕事、育児、楽曲、ライブにいたるまで、ほんと全ての手法に変化を強いられている。いずれ落ち着いてくれたとしても、もう以前と全く同じ手法には戻らないであろう、すごいきっかけで景色が変わっていく。(ここの葛藤はいつかまた改めて)

それはもう、すごいストレス。家族の安全への、そして先の日々への不安。時の総理大臣のTwitter動画に見る政治的アート的危機感と怒りとか、自粛警察とかストレスにノイズを上塗りした日々。

反面、未だ繋がっている仲間のありがたみ、家族とか。この暮らしぶりの中でも感じる楽しみや幸せ。享受していると痛感すること。

日々感じるものごとの粒度や、感じ方が確実に変わってきています。すごい授業だ。


上述の散文、かならずしもリンクするものではないかもしれないのですが。

授業中限定でシコシコ作った「俺カントリークラブ」。あの情熱や、トランス状態で机の木目から蛇がでたり泉が湧いたり、そこでロストボールを探して遭難したパーティーのドラマとかを頭に描いたり、そういう発想というものを得ていたあの頃の感じを、思い出しています。

今のこのかったるい授業を受けながら、どんなワールドを見いだせるのだろう。どんな言葉を、どんな音楽に乗せていくのだろう、と。

保育園も行けず公園にも行けず、テレワークにかまけてぜんぜん構ってくれない父親に退屈し

粘土の塊を合体ロボやハンバーグや仮面ライダーにする技を体得した3歳の息子を横目に、ぼんやりと考えてます。

ゆうたレッド