「ギター10本あげます」と言われて悩む妄想の話。3本目:Gibson Flying V

「ギター10本あげます」と言われて悩む妄想の話。3本目:Gibson Flying V

父親が買ってくれたベニヤのストラトの次に手に入れたのは、オービルのレスポールモデル。高校合格のお祝いで祖父が、浜松のヤマハで買ってくれたもの。ちょうどオービル by ギブソンが終了(?)したか何かの頃の新品、純粋なオービルギターの、黒のレスポール。ガンズのスラッシュに憧れたから、レスポール。重くて、いよいよ「本物のギター」を手にした気になったなあ。

初めて地元のライブハウスでライブしたのも、このギターであった。

以来、何本ものギターを所有し手放してきたが、このレスポールモデルはいまでも、我が家の隅っこにひっそりしまいこまれている。白いガムテープで布袋モデルのデコレーションをされながら。

人生半分をすぎ、あと何本のギターを所有し、触るのだろうか。妄想シリーズ、3本目。

1本目はこちら。

2本目はこちら。


宝島「バンドやろうぜ」で、盛大に「フライング レ」という誤植がされた、ギブソンのフライングVです。

なんでフライングVかというと、だって、クソかっこいいじゃん。

高校1年の頃、ラジオで聞いたこの曲。センセーション。今聞いてもドキドキする。ビバ、ロック。
中学の時、ヤングギターかなにかの特集見て知った神も。フライングVっていうとこの人、という先入観の世代です。

なんてんだろう、ディストーションギターでやる、ザ・ロックを具現化したようなこの形。ロックはわかりやすいことこそ正義。かっこつけることが基本姿勢。

しかし、「レスポール云々」を上述したくせに、いざバンドマンとしてのキャリアを積みだしてから20年間、ずーーっとフェンダーのギターを使用することに。単純に、あからさまにジミヘンやジョン・フルシアンテ文脈でストラトキャスターに行き着いたり、音の好みやバンドサウンドとの相性がそっちだったり。

気がついたら、ハムバッカーのギターがてんで弾きこなせない体に。

ジミヘンも、アルバートキングとか、ブルーズ文脈のフライングVを認識するのは、もうちょっとあとであった。

あと、いわゆる「超ハードロックっぽいものはダサい」って思う20代からの中二病にもかかり。いよいよ触れる機会がないまま今に至ってしまった。

楽器屋でちょろっと試奏した所感は「ハイフレット弾きづれー」「座って引くとツルツル滑って弾きづれー」。音は、SGほどカラッとしてない、レスポールっぽい、ん、フェンダーばっか弾いてて、上手に弾けない。。。という印象。あと、なんか俺、ストラップ短めだし、似合う自信もあまりない、という印象であったが。かっこいいんだけどなー。


似合う自信ない・・・って思ってたけど、そういえば、、

こんなポップでキャッチーな使い方している、大好きなプレーヤーがいたのを思い出しましたわ。

Presidents of The United States of America の、クリストファー・バリュー。このキャッチーなフライングV使いはたまんない、俺にもできそう、やりたい。欲しい。やっぱりかっこいい!フライングV。


脱線すると、PUSA(Presidents of The United States of America)。

アメリカ大統領というだいぶな名前で一瞬雑誌の表紙を飾りまくり、なんとなく消えていったこのバンド、実はトップレベルで好きな3ピースバンド。2弦ベースと3弦ギター、ドラムっているミニマムすぎるセットで、ギャグみたいにキャッチーな曲を緻密なアンサンブルで演奏する。すごいバンド。

自分でレコーディングとミキシングをやるようになっって、彼らのレコーディングにおけるアレンジやミキシングのヤバさにも気づいた、世間的には一見地味だけど、リスペクト半端ない。


で、このMACH5のPV、クリス・バリューのフライングVがギターなのかベースなのかもはやよくわからないのだけど(クリスは確かベーシストだ、この時。しかも、フライングV、そんなに使ってないはず、この人)。でも、いいじゃない、ポップ・ミュージック、そしてロックの気持ちいい最高のアウトプットのひとつだわ、これ。

やり残しのない人生を歩みたい。フライングVでライブもしたい。ハイフレットなんぞ弾かなければ良い。立って弾けばいい。だれか、ギター10本ください。

(PUSAといえば、バイデンvsトランプ。トランプさん、敗北を認めないスタンスでありつつ、めっきり老けこんじゃいましたねそういえば。関係ないけど。誰が大統領になっても、音楽のある暮らし、自由で穏やかになることを祈ります。)

ゆうたレッド