ポテトチップの話をしようじゃないか vol.3|「ポテチ」からえもいわれぬ前向きな気持ちをもらった。 

ポテトチップの話をしようじゃないか vol.3|「ポテチ」からえもいわれぬ前向きな気持ちをもらった。 

2023年2月19日

ポテチ嫌いな⼈いないですよね?
ダイエットしてるから、敵だから、って人は「好きすぎて枠」です。OKです。

ポテチが好きすぎて色々調べたら沼にハマる、そんなシリーズ最終回です。慣れない少女漫画キャラの絵を模写するのもこれでしばらくお休み。

前回までのあらすじはこちら。

ポテトチップの話をしようじゃないか vol.1 | 呼称「ポテチ」の始祖は「きんぎょ注意報」であってるのか。

みんな⼤好き「ポテチ」。 ポテチ嫌いな⼈いないですよね?ダイエット中で局地的に「…
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ポテトチップの話をしようじゃないか vol.2|湖池屋「ポテチ」と「きんぎょ注意報」の関係は?

子供の頃は「ポテトチップ」だったはずの一般名称が日本全体でいつの間にか「ポテチ」に変わった。その理由は「きんぎょ注意報」のブームだったと確信を持ちつつ、新たな疑問が生まれた前回。 今回はその続きです。
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前回までにわかったこと

  • 「ポテチ」という⾔葉を最初に世に出したのは「きんぎょ注意報」。( 猫部ねこ先生≒「ポテチ」の始祖。)
  • 湖池屋は「ポテチ」を後追いで商標登録したが、実際に「ポテチ」という商品が出たのか、いつ出たのかは不明。


湖池屋は「ポテチ」を後追いで商標登録した背景=湖池屋がトレンドキャッチして商品化した。という説が濃厚だが、肝⼼な商品情報が⾒つからない

注:あ、⼀応、ここはインディーズで毎年リリースもちゃんとしてるミュージシャンのブログです。
なのに、なんでこんなことしてるんだ?ポテトチップが好きだからさ。


迷⾛暴⾛する知識欲求。

「ポテチ」という名の商品。
これがググっても全っ然、出てこない

湖池屋の企業沿⾰を⾒ても商品情報を⾒ても、Wikipediaにも、スナック菓⼦好きな⼈のブログとか⾒てもまったく、出てこない

湖池屋のラインナップに詳しい人、情報を持っている⼈ってどこかにいるのだろうか

ん?

あ。

おお。

メーカーに聞けばいいのか!!


良い子はあまり真似しない方がいいと思います。ほどほどにしないと業務のご迷惑になるかもしれん。

お客様相談センターといえば、クレームやプレス対応など⽇々忙殺されているであろうところ。

そんなところに⼤したメディアでもないくせにしょーもない問い合わせをするわけで、⼟下座する⼼づもりを準備するとともに、湖池屋の企業の来歴や雰囲気を⼀通り予習して、満を持して電話してみる。

お電話ありがとうございます。湖池屋お客様相談センターです。

優しそうな声が聞こえる。優しい時のちーちゃん(藤ノ宮千歳理事⻑)が受け答えをしてくれている思い。
ちーちゃんだけに、変な質問をしたら怒られないかという思いの現れでもある。

あ、あの、私中村と申します。個⼈的に御社の昔の商品に興味を持ちまして。過去にこんな名前の商品が売られていたのか?みたいなことがお分かりでしたらお伺いさせていただきたく。
そういったご質問はお受けいただけますでしょうか。

はい。こちらでお答えできる限りの情報はお答えいたします。

い い 人 だ!

よかった。⾨前払いされなかった。お姉さんありがとう。

ありがとうございます。
あのですね、いま世の中で⼀般的な⽤語となっている「ポテチ」という名称の由来を調べておりまして。
御社が商標を登録されていると思うのですが。

はい。「ポテチ」でございますね。お調べの通り、弊社が商標を登録しております

 

御社が商標出願されたのが1989年、登録は1992年だったかと存じます。

この頃ちょうど「きんぎょ注意報」というアニメがブームになっていまして、その作内から「ポテチ」という⾔葉が⼦供を中⼼ブームになっていた。

御社での商標出願や、「ポテチ」呼称の動きがあった1989年から1992年は、ポテトチップにとっては⼤きな転換期とも考えられます。
しかし、肝⼼な「ポテチ」という名前の商品の存在を⾒つけることができず…。

「ポテチ」という商品は存在したか、したとしてそれはいつ発売されたのかをお伺いしたかったのです。

本当に細かくお調べいただき、本当にありがとうございます。ご推察の通り、弊社は1992年に「ポテチ」という商品を発売した記録がございます。

ほゃ!!(変な声)

 

2種ございまして、 「ポテチ 塩じゃが味」 「ポテチ 梅しそ味」 を販売しておりました。 お客さまのおっしゃる時期で、いずれも1992年2⽉に発売された商品です。

あ…あってぃと…た…(変な声)推察はあっていたのですね。ありがとうございます!


湖池屋お客様センターで教えてもらえたこと。

  • 「ポテチ」は湖池屋が商標登録している
  • 1992年2⽉に2種の「ポテチ」を発売した
  • パッケージ画像が存在しているかはわからない(まず当時の状況を知る⼈間がいるかどうか…)
  • 「きんぎょ注意報」との関わり、インスパイア等があったのかという当時の背景も、わからない(これも当時の状況を知る⼈間がいるか…)
  • これからも、お客様に安⼼して美味しく⾷べられる製品をお届けできるよう頑張ってまいります


控えめに⾔って神対応。しばらくポテチはすべて湖池屋にするとします。


ここまでで分かったこと。

1 「きんぎょ注意報」のインスパイアや関連性はわからないがーー

2 「ポテチ」の⼤きな岐路のタイミングに、確かに「ポテチ」という商品が存在した。

「ポテチ」の商標登録は、湖池屋がトレンドワードを掴んで⾏ったものと思う。
たぶん。

仮説推測を残すが…この説で⼤枠間違いないとしておく俺は。
新しい事実があったらぜひ知りたいけど、調査や推測の精度が⽢いところは個⼈の調査ということ
で、激烈なツッコミはご勘弁を…。


ちょっと前述したが、お客様相談室に電話するにあたり、湖池屋の企業の来歴や雰囲気を⼀通り調
べて臨んだ
のだが、その時に⾒えた事実も踏まえて、湖池屋と「きんぎょ注意報」を取り巻く状況
を自分なりに俯瞰して、今回のまとめとします。



「ポテチ」=スナック戦国時代に生まれた新しい時代の言葉。

さまざまな企業の切磋琢磨が行われる戦国時代。そのムーブメントの中で「ポテチ」という新しい時代の言葉が生まれ、定着したのだたぶんきっと。

1975年カルビーがポテトチップスに参入
これを⽪切りにスナック菓⼦市場はまさにゆるさのない戦国時代に突⼊していったのではないか。

最後発でありながら、超⽼舗、企業体⼒の⾼さを武器に他社を猛追するカルビー。
1978年にはコンソメパンチを発売し、ポテトチップス=カルビーのイメージを世につけていった

湖池屋は経営悪化。起死回⽣を図るべくマーケティング・製品開発にこだわりを注ぎ1984年に不動の⼤定番「カラムーチョ」を⼤ヒットさせる。

「カラムーチョ」は今までのフレーバー固定概念を壊し、各社による製品バリエーション開発を激化させていったようだ。

まさに戦国時代。
当時の開発担当やマーケティング担当は、新しい商品につながるアイデアを求め、常にアンテナを張り巡らせていたのではないか。

そんな状態においては、たまたま連載始まったばかりの「きんぎょ注意報」に「ポテチ」という⾔葉を⾒つけ、その語感の良さにピンときて商品ラインナップに加えようと動いたとしてもおかしくない

湖池屋「ポテチ 塩じゃが味」「ポテチ 梅しそ味」はそのビジュアルこそ残っていない。
しかし、「きんぎょ注意報」テレビ放映が終わるの1992年2⽉ギリギリに発売を間に合わせたのだ(商標登録よりも9ヶ⽉前の先⾏発売!)。

この事実は、「きんぎょ注意報」ブームの終焉に、「ポテチ」という⾔葉を世の中に確実に定着させた出来事のひとつに違いない。



そして、これが事実だろうと違おうと、ポテトチップはいつも美味しくて幸せを運んでくれる
たくさん⾷べて(運動と野菜も摂取して)、末⻑く幸せになりたいと思った。

エネルギッシュで、なんか前向きな気分をいただいた。ポテチ⾷おう。
スナックメーカーみなさま。幸せな娯楽をありがとうございます。


おかげさまで、疑問がクリアになりました。本当にありがとうございます。

今回お電話するまでに調べた中で、御社は経営から製品開発、広告プロモーションまで、ひときわ「湖池屋らしさ」というものを追求されているところ、個⼈的にとても感服しました。

各社さんとの切磋琢磨は続いていくと思いますが、これからも応援させてください。美味しいお菓子を楽しませていただきます。

はい。ご丁寧にありがとうございます。⼤変励みになります。今後ともよろしくお願いします。

 


あー、スッキリした。ポテトチップって、いいものですね。

これからもみんなでポテチ盛り上げていきましょう。

(いや音楽頑張ります、ライブのオファーお待ちしてます。曲も聴いてくださいね)


追記:CM発見!

記事を読んでくれた知人から、湖池屋「ぽてち」のCM発見の連絡いただきました。

1992年。

テンポいい、バブル時代のザ・湖池屋感あるCM。

お客様センターで聞いた、塩じゃがあじと梅しそ味!そして、商品名は平仮名で「ぽてち」だったのですね。

平仮名の「ぽてち」は湖池屋が2011年に商標登録。1989〜1992年、「ポテチ」で急いで商標登録進めつつ、商品名表記も変わるくらいの特急見切り発車で商品開発が行われたたのだろうか。

夢想が止まらない。

この週末もいろいろな想像を働かせながら、ポテチいただくとします。