チクタク時計は回る。「チック・タック・ロック」。

チクタク時計は回る。「チック・タック・ロック」。

2024年4月3日

MANGADORONリリース、EPリリース目前ですが、謎に1曲、シングルをリリースしました。
これ何かというと昔書いた曲の再録です。
25の時。うあ、20年前だよ。


サポートメンバーとしてベース弾いてくれてる杉さんの一言。
「チックタックロック演ろうよ」が今回の再録のきっかけでした。

彼はトランポリンという大先輩なバンドを長らくやられていて、出会いはもう20年前。俺が当時やっていたバンド「エキスパンダー」との対バンからの付き合い。

MANGADORONサポートのお願いを快諾してくれた理由のひとつにどうやら「エキスパンダーの曲演れ」と俺に言うことが密かに含まれていたのでした。

20年前の曲かー、マジか、大丈夫かなー、と思いつつ古い音源引っ張り出してくると、なんか今と対して変わらない音だなー言葉だなー。やってみるかー。と。

EPレコーディングの折に録り下ろしするに至りました。

2004年

エキスパンダーは、「爆音、暴走、ガレージロックンロール」を自称する、レッド・イエロー・グリーンのスリーピースバンドで、やたらでかい音とステージからはみ出すパフォーマンスで、毎週毎週どこかでライブをやっていたバンドであった。

「チックタックロック」はその中で唯一(比較的)シリアスな曲で、
人と人の蜜月というは時と共にあっさり薄れたり壊れてゆく様を20代半ばで歌ったヒデェ歌。

エキスパンダーは2年弱くらい?スゲー勢いとテンションで走り抜けてとっとと活動休止。

イエローはバルセロナでレストラン経営する2時の父。オーナーシェフとして、バンドで夢見た成功のはるか先へ進み。
グリーンは沖縄だか名古屋だかで3人だか4人の子がいる家族の大黒柱としてサラリーマンやっている。

俺は相変わらずバンドマン、そしてサラリーマンも父親もやっているが、うーん、どれも泣かず飛ばずだな笑

イエローはちょいちょい会っていて、来日の際に飲みに行く。グリーンは俺の結婚式が最後。今回のリリースの件でメッセやりとりできたのは素直に嬉しかった。

「音すげえな!上手くなったな!」

ははは。久々3人で飲みたいな。


ジャケットはイラストレーター武者小路晶子さん。

かつての仕事仲間でありつつ、ほどよいタイミングで接点を持ち続ける友人。

初の共同クリエイションで、お互いアワアワしながらディスカッションして、時が経ち人が変わりゆくさまを、サージェントペパーズな群像で描いていただきました。

楽曲も聴いていただき、賛同いただき、一緒に創作できたのは幸せ。



ちなみにこのサージェントペパーズな群像。
それぞれの人生はこんな感じ。ゆっくり読んで夢想いただければ幸い。
(配信だと中ジャケットが配布できないのが悔しい限り。ここで見てってください。いつか誰かが、俺の死後にレコードにしてくれるでしょう。稼いでください。)


チクタク時計は回る。幸い今も周りにたくさんの人がいるし、それが、いつか離れたり程よい距離感になったりする。

人間というは時と共に足腰いわなくなるもの故、離別や疎遠を悲しむ思いはあるが。

変わるもよし、変わらぬもよし。それぞれがそれぞれの人生をゆったり進んでいく、そんな群像が愛おしい気持ちになる、これも歳とった故の思いなのかもしれないね。

そんでトランポリン杉さん。この曲を再度世に出す機会をくれて、マジありがとうございます。

ん、しんみりしてしまったけど、この曲カッコいいっすよ。爆音ブルース、みんな聴いたってください。

ゆうたレッド