MANGADORONというバンドの名前は、一瞬漫画家になりたいと思っていた自分のパーソナリティや、漫画っていう表現のちょうど良さ云々と色々あるのですが、それは一回おいといて、今回は漫画の話です。
本日月刊少年マガジン発売です。『Change!』最終回です。
— 曽田正人『Change!』6巻12/17発売! (@sodamasahito) December 6, 2019
編集部から終了を告げられました。
今まで愛読してくださったみなさま、本当に申し訳ございません。
すべて自分の力不足です。
今、自分に出来る全力で最終回を描きました。
よろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/1DbnmYdLel
ツイッターで流れてきたpostで知ったんですが、曽田正人さんの「Change!」という漫画。
和歌の名家のお嬢さんがラップバトルに目覚め、高校のアウトローな同級生とスキルを高めて行く話で、
負けん気と勢いで強面のラッパーにガンガン立ち向かい、和歌とフリースタイルラップに共通点を見出し、どんどん味を出していきます。
クラブに出入りしているのを見つかり、高校の生活指導の先生に睨まれるも、熱いバトルの前に、先生方も「カッコいい・・・」とこぼしてしまう痛快っぷり。
さすが「シャカリキ!」とか「昴」、「Capeta」を産んだ激アツな筆者の作品。
カートやりたくなったり自転車でアップヒルやりたくなったり(一瞬ロードバイクで川崎体育館とかにプロレス見にいっていた時期があったのは「シャカリキ!」の影響)。今回もラップバトルしてみたくなってしまった。
音楽を漫画にするのは難しい、というのは「猿でも描ける漫画教室」でも語られていましたが、
どストレートに音楽やカルチャーを表現するのって、難しいだろな、と思っています。
漫画は、映像みたいに、空気感やカルチャーの背景を収めるすべが非常に少ない。作者のバックボーンや感性、ファッションのバイアスが、映像よりもはるかにかかってしまう。ヤンキー漫画でいうと、筆者がガッチガチのヤンキーな場合とそうでない場合で、だいぶ描写やトーンが違うのと一緒で。
要は、「ダサくなりやすい」と思っていて。
曽田正人さんという作家さんが、めっちゃ取材したのか、シーンを熟知している方なのか、背景は全然存じ上げないのですが、打ち切りのツイートを見た時に思ったのが、「ベテランの作家が流行り物に手を出して、ダメだったんかな〜」。
でも、この作家さんの作品でコないものはなかったし、面白いんじゃないの??って読んでみたら案の定心臓バックバク。
自尊心とプライド、悔しさや卑屈さと、とにかくしがみついていくさま、自分だけが持つ感性を武器にしていくプロセスと、一見交わらなそうな人たちとの共通点の見出し、あと勝利、というプロセスが、ことごとく自分ごとのように突き刺さって、あと、ラップバトル超いい!ってなる名作。
登場人物の魅力、リアルな悩みと苦痛、乗り越えたカタルシスの嵐が、もうクセになるクセになる!かっこいいし。
シーンにいるラッパーが読んだらどう思うのかは分からないけど、や、けっこうしっくり来るんじゃないのかな。
要は、打ち切りになるのが意味わかんないので、一回しおりんとミキが突き進むまで突き進むプロセスをもっと読みたいにゃーーーーーーという話でした。
あ、あと、音楽をテーマにした漫画で、めっちゃ好きなのといえば、上條淳士さんの「To-y」。
すいません、ロック者としては、クッソダサいはずなんですが、なんでこんなに登場人物が魅力的なんだろうね。
遠藤プロデューサーのセリフ、
「ロックじゃ世の中を変えられない。でも、人の人生くらいなら変えられるかもしれないぜ」
というセリフは、実はずっとひっそり、バンドをやり続ける原動力になっていたりします。
ゆうたレッド